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Robloxが6月、子どもアカウントを2分割する──5月1日の年齢確認義務化と『Kids/Select』が示す、日本の保護者が次に取るべき行動

  • 4月28日
  • 読了時間: 6分

2026年の春、Robloxの子ども安全機能が短期間で大きく変わっている。4月13日にDavid Baszucki CEOが「Roblox Kids(5〜8歳)」と「Roblox Select(9〜15歳)」という年齢別アカウントの6月導入を発表。翌週の4月21日にはアラバマ州・ウェストバージニア州との和解が同日に成立し、わずか8日間で米3州との和解金が合計3,580万ドルに達した。5月1日からはアラバマ州で全ユーザーに対する年齢確認が義務化される。本稿では「結局、保護者として何を確認・設定すれば良いのか」を5つの論点で整理する。



Roblox KidsとSelectは、子どもの「初期設定」そのものを変える


Roblox公式の発表によれば、6月から導入されるRoblox Kids(5〜8歳)はチャットがすべて初期状態で無効、ゲームは「Minimal」または「Mild」評価のものだけにアクセスが限定される。Roblox Select(9〜15歳)は「Moderate」までのゲームに広がり、チャット設定は従来通り。公式発表では、KidsとSelectそれぞれにアプリ全体の背景色を変える専用UIを与え、保護者が一目で子どものアカウント種別を判別できる仕組みも入る。

重要なのは、これが「設定をオプトインする」のではなく「年齢確認の結果に応じて自動的に振り分けられる」という点だ。子どもが9歳になればKidsからSelectへ、16歳になればSelectから通常アカウントへと自動移行する。つまり「親が忘れていたら危険な設定のまま」という従来構造が、初期値そのものから安全側に倒される。公式は、年齢確認済みの16歳未満ユーザーは「お気に入りゲームの大多数にアクセス可能」と説明しており、コンテンツ選定の透明性が今後の焦点になる。

▲ 6月から導入されるRoblox KidsとRoblox Selectのアカウント概念図。年齢別にUI色とコンテンツが分かれる(出典:Roblox公式)

▲ 6月から導入されるRoblox KidsとRoblox Selectのアカウント概念図。年齢別にUI色とコンテンツが分かれる(出典:Roblox公式)



5月1日からアラバマ州で年齢確認が義務化──顔認識か政府IDか


アラバマ州司法長官との和解条件には、5月1日以降、新規・既存を問わず全ユーザーに対し、Facial Age Estimation(顔画像による年齢推定)または政府発行IDによる年齢確認を実施することが含まれる(Biometric Updateの報道)。年齢が確認されるまでチャット機能はブロックされ、確認済みでも未成年と成人の直接連絡は「Trusted Friends」を介する場合に限られる。

Roblox公式のAge Estimationページによれば、推定処理は外部パートナーのPersonaが担当し、Roblox側は顔画像や生体データを受領・保存しない。年齢グループは5–8、9–12、13–15、16–17、18–20、21+の6区分に分類される。日本のユーザーも、グローバルロールアウト後はこの仕組みでチャット機能の解放可否が判定されるため、「うちの子は日本だから関係ない」と考えるのは誤りだ。

▲ 顔画像から年齢を推定するFacial Age Estimation。Robloxのパートナー企業Personaが処理し、原データは保存されない(出典:Roblox公式)

▲ 顔画像から年齢を推定するFacial Age Estimation。Robloxのパートナー企業Personaが処理し、原データは保存されない(出典:Roblox公式)



8日間で3,580万ドル──和解ラッシュが安全機能の実装スピードを上げている


Robloxは4月13日にネバダ州と1,200万ドル、4月21日にウェストバージニア州と約1,100万ドル、同日にアラバマ州と1,220万ドルで和解した(Malwarebytes)。8日間で総額3,580万ドルに達し、テキサス、フロリダ、ルイジアナ、アイオワ、ネブラスカ、ケンタッキー、テネシーの7州が同様の訴訟を準備中とされる。

和解金の使途も注目に値する。ウェストバージニア州の1,100万ドルのうち400万ドルは州専属の「子ども安全担当官」配置と、保護者・子ども向けワークショップ、啓発キャンペーンに充てられる。アラバマ州の1,220万ドルは州内の学校資源警察官の配置に使われる。つまり、和解金が単なる罰金ではなく、地域コミュニティの安全教育に再投資される構造が制度化されつつある。プラットフォームを運営する企業にとっては、「払えば終わる」フェーズが終わり、「行動変容と地域連携を求められる」フェーズに移ったことを意味する。

規制圧力は北米だけではない。4月22日にはオーストラリアのeSafety Commissionerが、Roblox・Minecraft・Fortnite・Steamに対し、グルーミング、サイバーいじめ、過激思想の拡散などへの対策を法的拘束力を持って開示せよとの透明性命令を出した(eSafety Commissioner)。違反時の罰則は1日最大82万5,000豪ドル。北米の和解、豪州の透明性命令、英国の年齢確認規制が並行して進むなか、Roblox Kids/Selectは「複数の規制要件を一度に満たすための共通基盤」と位置づけられる。

▲ 8日間で3,580万ドルに達した米国州との和解は、子ども向けプラットフォームへの法的圧力が新段階に入ったことを示す(出典:Biometric Update)

▲ 8日間で3,580万ドルに達した米国州との和解は、子ども向けプラットフォームへの法的圧力が新段階に入ったことを示す(出典:Biometric Update)



「Trusted Friends」復活で、家族・きょうだいは年齢を超えてつながれる


1月の年齢別チャット制限導入後、「親と子が同じゲームで一緒にチャットできない」という反発が世界中で起きた。Robloxは4月2日のアップデートで「Trusted Friends」を拡張し、保護者と紐づいた親アカウントは自動的に子どものTrusted Friendとなり、別の年齢帯にいてもチャット・共同プレイが可能になった(Roblox公式)。今後は親の同意があれば、年下のきょうだい・いとこ・友人もTrusted Friendとして追加できるようになる。

この変更が示すのは「全員一律でブロック」ではなく「家族の単位で安全を構築する」という設計思想への転換だ。保護者が「Connected Parents」として子どものアカウントとリンクされていれば、Trusted Friendは自動付与される。逆に言えば、リンクされていない家庭では子どもと親が別々の年齢帯としてシステムに認識され、ゲーム内で会話できない事態が起こる。6月のKids/Select本格ロールアウト前に、保護者アカウントを作成し子どもとリンクしておくことが、家族でRobloxを楽しみ続けるための前提条件になりつつある。

▲ 4月のアップデートで親が子どものTrusted Friendとして自動登録され、年齢を超えたチャットが可能に(出典:Roblox公式)

▲ 4月のアップデートで親が子どものTrusted Friendとして自動登録され、年齢を超えたチャットが可能に(出典:Roblox公式)



日本の保護者が今すぐ確認すべき5つの設定


ここまでの変化を踏まえ、日本の保護者がGW中に確認しておくと良い5つの設定を挙げる。いずれもRoblox公式アプリの「設定」→「保護者コントロール」もしくは保護者ダッシュボードから操作できる。

1つ目は保護者アカウントの作成と子どもアカウントとのリンク。これがTrusted Friend自動付与とすべての保護者機能の前提となる。2つ目は4桁の保護者PINの設定。これを設定しないと、子どもが保護者コントロールを自分で解除できてしまう。3つ目は月額支出上限の設定。Robuxは1度に3万円以上の課金が可能で、無設定では「気づいたら数万円」のリスクが残る。

4つ目は、コンテンツ成熟度設定の見直し。9歳未満なら「Minimal/All Ages」、9〜12歳なら「Mild/9+」までに制限することがRoblox公式の保護者コントロールガイドでも推奨されている。5つ目はチャット相手の管理で、「Friends」または「No One」を選ぶのが推奨ライン。年齢確認が完了するまでは、そもそもチャット自体がブロックされる新仕様も覚えておきたい。

Mogura VRが取材した日本の保護者の声では、「課金とチャット相手の制限は早めに親が設定し、ルールを子どもと一緒に決めておくことで、トラブルが起きる前に対処できた」というケースが繰り返し紹介されている(Mogura VR)。6月のKids/Select切替を「設定をやり直す機会」として、家庭内のルールも合わせて更新するのが、今春最も実用的なアクションだ。

▲ Robloxの保護者コントロール画面。チャット相手・支出上限・利用時間・コンテンツ成熟度をまとめて管理できる(出典:Roblox公式)

▲ Robloxの保護者コントロール画面。チャット相手・支出上限・利用時間・コンテンツ成熟度をまとめて管理できる(出典:Roblox公式)



Robloxは1月の年齢確認チャット制限、4月のTrusted Friends拡張、6月のKids/Select新アカウント、そして州ごとに義務化される顔認識・ID確認と、半年で安全機構を作り変えている。プラットフォーム側の変更は数ヶ月で完了するが、家庭での運用ルールの見直しは保護者の能動的なアクションがなければ進まない。今が、子どもと一緒にRobloxの設定画面を開く絶好のタイミングだ。

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