MAUは8000万人!Robloxの大人気ゲームAdopt Meを大解剖
- 2024年10月7日
- 読了時間: 8分
更新日:2024年10月9日

「Adopt Me」は、Robloxの中でも特に人気の高いゲームのひとつで、世界中のプレイヤーから愛されています。月間アクティブユーザー(MAU)が6000万から8000万人に達し、年間で約5000万ドルの収益を生み出すなど、驚くべき成功を収めています。
このゲームの魅力は、シンプルな操作で誰でもすぐに遊べることはもちろん、他のプレイヤーとのコミュニケーションやアイテムの取引など、ゲームを通じて人とつながれるところにあります。ペットを育てたり、自分だけの家をカスタマイズしたり、他のプレイヤーとアイテムを交換したりと、より多くのソーシャル要素が詰まっているのも特徴です。
Robloxにおける人気度
Robloxでは、2018年時点で、約400万人の開発者によって4000万以上のゲームが制作されていました。そのうち、100万回以上プレイされたタイトルはたった1500作品(全体の0.004%)と非常に限られたものです(Greylock Perspectives)。この厳しい競争の中で、「Adopt Me」は群を抜いて特別な存在となっています。
特に2020年には、Roblox全体の月間アクティブユーザー(MAU)の約3分の1を「Adopt Me」だけで占めるほどの大躍進を遂げました(Seeking Alpha)。現在では月間アクティブユーザー数が6000万から8000万人にまで達しており、これは「Apex Legends」(約1億人)や「Call of Duty」(約9000万人)と肩を並べる規模です(Game Economist Consulting)。
さらに、同時接続プレイヤー数においても「Adopt Me」は突出した記録を持っています。最高同時接続プレイヤー数は192万人を超えており、「Apex Legends」の最高記録である約62万人や、「Call of Duty」の約48万人を大きく上回っています(Game Spot)。
収益は、年間約5000万ドル(約75億円)に達していると推計されます。Robloxでは、99%以上のゲームが収益を上げられておらず、1000万ドルを超えているのはわずかに9タイトルのみです(Statista)。AdoptMeは、強力なユーザーエンゲージメントを基盤に、ビジネス的な成功を収めることにも成功しています。

これを支えるのは、急成長を続ける開発チームの存在です。設立当初の2019年にはたった3名でスタートしたチームですが(GameIndustry.biz)、現在は40名にまで拡大し、2025年までには100名体制を目指しています(PC Games Insider)。こうした組織体制の強化により、今後さらに「Adopt Me」が進化していくことが期待されています。
発展の歴史
「Adopt Me」は、2017年に「プレイヤーが子どもを養子として迎えて育てる」というテーマでスタートしました。
初めは他の類似ゲームとあまり変わらず、目立った存在ではありませんでした。しかし、開発チームがゲームに「ペットの育成」や「プレイヤー同士のペット交換」といった新しい要素を取り入れたことで、ゲームの魅力が一気に広がり、注目を集めるようになりました。
この成功の背景には、開発を手掛けたLing氏の経験も大きく影響しています。この成功の背景には、開発を手掛けたLing氏の経験も大きく影響しています。Ling氏は、以前「HyPixel」というMinecraftのプラットフォームで、独自のゲーム体験を提供し成功を収めました。HyPixelは、Minecraftの既存システムを活用しながら、ユニークなミニゲームを次々と生み出すことで急成長を遂げたスタジオです(GameIndustry.biz)。

その後、2020年にRiot Gamesに買収されたことからも分かるように、HyPixelの革新的なシステムがいかに高く評価され、成功を収めていたかが分かります。
Ling氏はその経験を「Adopt Me」に活かし、ペットの育成や交換を通じてプレイヤー同士が交流しやすい環境を作り上げました。これにより、ゲーム内でのコミュニケーションが活発になり、社会性の高いゲームへと発展したのです。
さらに、「Adopt Me」はグローバル展開にも積極的で、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、ロシア語、中国語(簡体字)、韓国語、日本語といった多言語に対応しています。これにより、世界中のプレイヤーが自分の母国語でゲームを楽しめるようになり、国や地域を問わず、さまざまな文化を持つユーザー層を取り込むことに成功しました。
現在では、全体の約4分の1のプレイヤーが英語以外の言語を母国語としており、異なる言語や文化を持つプレイヤー同士が交流しながら、一緒にゲームを楽しんでいます(NextPowers)。
このように、「Adopt Me」はただの子ども向けのゲームとして始まったものの、プレイヤー同士の交流を促すコミュニティ性の高さが大きな強みとなり、今では世界中で多くのプレイヤーに親しまれる存在となりました。
ゲームプレイの詳細

「Adopt Me」は、ペットを育てることはもちろん、他のプレイヤーとの交流やコミュニケーションを楽しむことができるソーシャル要素が大きな魅力です。ゲーム内でチャットをしたり、ペットやアイテムを交換したりすることで、さまざまな人と繋がりながら遊べるのが、このゲームの特別なところです。
プレイヤーは、まずゲーム内の「ナーサリー」で卵を購入し、それを孵化させてペットを手に入れます。ペットは「お腹が空いた」「退屈だ」といった要望を出すので、エサをあげたり、一緒に遊んだりして世話をしながら成長させていきます。この要望を叶えることで、ゲーム内通貨を獲得できるため、育成とお金稼ぎを同時に楽しむことができます。
ゲーム内で稼いだお金は、ペットの育成だけでなく、自分の家をカスタマイズするのにも使えます。家具を揃えたり、家のデザインを変えたりして、自分だけの理想の住まいを作り上げられるのが特徴です。例えば、家にピザやウォーターサーバーを設置しておけば、ペットの空腹や喉の渇きをすぐに満たせるようになり、効率よくお世話をすることができます。家の中に必要な家具を揃えておけば、移動する手間を省き、育成をスムーズに進めることもできます。
また、「Adopt Me」では、自分のアバターを「赤ちゃん」に設定することも可能です。この設定にすると、自分もペットのように要望を出すようになるため、ペットと自分の要望を同時に叶えて、報酬を2倍に稼げるのがポイントです。短期間で効率的にお金を貯めたいときに、ぜひ試してみると良いでしょう。
このように、「Adopt Me」はペットの育成だけにとどまらず、プレイヤー同士の交流を楽しめる要素も豊富に揃っています。
マネタイズ
「Adopt Me!」は、3つの柱を中心にマネタイズ戦略を展開しています。それは、ゲーム内のデジタルアイテム販売、リアルなグッズ展開、そして企業とのコラボレーションです。
まず、ゲーム内でのアイテム販売についてですが、プレイヤーはペットや家具、特別な機能が使える「ゲームパス」などを購入できます。これらのアイテムは、ゲーム内通貨Robuxで手に入れることができ、特に期間限定のペットやレアなアイテムは多くのプレイヤーから高い人気を集めています。プレイヤーはこれらのアイテムを使って、ゲームをさらに楽しむことができ、結果的に「Adopt Me!」の収益の大部分を支えています。
また、「Adopt Me!」はリアルな商品展開にも力を入れています。ゲーム内で人気のペットやキャラクターをモチーフにしたぬいぐるみやアパレル、ステーショナリーなどのアイテムをアメリカやヨーロッパ、オーストラリアといった地域で販売しており、ゲームファンの心をしっかりと掴んでいます。これらのグッズには、ゲーム内で使用できる特別なアイテムを手に入れられるコードが付いているため、現実世界とゲーム内の世界をつなぐ役割も果たしています。この仕組みにより、グッズを購入することでリアルとゲームの両方を楽しめるようになっており、まだ「Adopt Me!」をプレイしたことがない人にとってもゲームに興味を持つきっかけとなっています(Brands Untapped)。

そして、「Adopt Me!」は企業とのコラボレーションにも積極的です。たとえば、映画「ミニオンズ」とのタイアップイベントでは、プレイヤーがグルーと会話し、特別な卵を育てることで無料で「ゾディアックミニオンチック」というペットを手に入れられるイベントが実施されました。また、アニメ「スクービー・ドゥー」とのコラボでは、期間限定でスクービー・ドゥーのペットが登場し、特定のクエストをクリアすることで特別なアクセサリーがもらえるイベントが開催されました。
さらに、映画「Sing 2」とのコラボレーションでは、新しいステージエリアやトレジャーハントが追加され、プレイヤーが特定のアイテムを見つけることで、ペット用の「ギャラクシーエクスプローラーヘルメット」を獲得できるイベントも行われました。こうしたコラボイベントは、ゲームの世界を広げ、さまざまな作品と繋がるきっかけを作っています(Distractify)。
このように、「Adopt Me!」はデジタルとリアルをうまく結びつけ、企業とのコラボレーションを通じてプレイヤーの満足度を高めながら、安定した収益を生み出しています。
問題点・リスク

「Adopt Me」は、Roblox内で特に人気の高いゲームですが、その人気を利用して詐欺を働くプレイヤーも少なくありません。特に「Adopt Me」のプレイヤー層は子どもが多いため、詐欺師たちは巧妙な手口で若いプレイヤーを狙い、アイテムやペットを騙し取ろうとします。
例えば、「ペット倍増詐欺」と呼ばれる手口があります。詐欺師は、「あなたのペットを2倍に増やしてあげる」と甘い言葉で近づき、初めに価値の低いペットで実際に「増やした」ように見せかけて信頼を得ます。そして、「今度はもっとレアなペットを預けてみて」と誘導し、プレイヤーが大切にしているペットを渡すと、そのまま姿を消してしまいます。こうして、多くのプレイヤーが大事に育ててきたペットを失ってしまう被害が後を絶ちません。
また、「Robuxで支払います詐欺」もよく見られる手口のひとつです。詐欺師は、「あなたのアイテムを買いたいから、たくさんのRobux(ゲーム内通貨)を支払う」と提案してきますが、実はRobloxのシステム上、他のプレイヤーに直接Robuxを送ることはできません。そのため、取引が成立することはなく、最終的にプレイヤーはアイテムを騙し取られてしまいます。
これらの詐欺行為は、「Adopt Me」のコミュニティにとって大きな問題です。開発チームも対策を講じていますが、特に若いプレイヤーがターゲットとなることが多いため、保護者の方やプレイヤー同士で注意し合い、詐欺被害を未然に防ぐことが求められています(Entertainment Focus)。




