Robloxで作品の世界観を伝える!映像業界におけるRobloxを活用したマーケティング手法と事例一覧
- 2024年9月14日
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個人が気軽にゲームを作って公開できるプラットフォーム、Robloxは特に欧米で強い存在感を発揮しています。2024年第2四半期には平均アクティブユーザー数が7950万人を超え、売上高は8億9350万ドル、計174億時間プレイされていることを公表しています(Roblox)。
その影響力はゲームプラットフォームを超え、企業プロモーションの場としても活用されています。この記事では、その中でも特に活発に活用されている、映像業界におけるRobloxを用いたプロモーション事例を紹介します。
映像業界の企業によるRoblox上でのプロモーションとして、以下の3つの方法がこれまで試されてきました。
ブランド独自のワールドを制作する
没入型広告を打つ
ブランドに関連するキャラクターをNPCとして登場させる
独自のワールド制作というのは、「プロモーションを行う映像作品を基にしたゲームをRoblox上に新しく作る」ということを指します。Robloxは先述の通りアクティブユーザーが多く、その多くがゲームプレイを目的としています。映像作品の世界観を表現したワールドを作ることで、これまで映像作品には関心が薄かったゲームユーザーにも認知してもらえます。他の人気ワールドとシームレスかつ相互に行き来できるようになる点も魅力的です。

Robloxでキャンペーンをうつ場合、必ずしも独自のワールドを作る必要はなく、動画や画像型の広告で宣伝するという手もあります。他のサービスと異なるのは、それがユーザーがプレイするゲームの中に配置される没入型広告であるという点です。SNSや動画プラットフォームの広告は飛ばしたり無視することも多いですが、没入型の場合はより自然な形で広告が表示されるので、ユーザーに受け入れられることも多いのが特長です。
没入型広告は宣伝する映像作品とは関連のない、すでにRoblox上に存在するワールドに映る形で配信されることもあります。ユーザーはゲームを楽しみながら自然な形で映像作品を認知することになり、スポンサーはすでに人気でターゲットユーザーが多くいるワールドに広告を打つことができます。

キャラクターをNPCとして登場させる方法も、すでに存在するワールドを用いたキャンペーンです。人気のワールドに映像作品のキャラクターをNPCとして登場させることで、キャラクターを通じて作品を宣伝することができます。従来の広告のような一方向の情報伝達ではなく、双方向(インタラクティブ)な体験にすることができる点が最大の特徴と言えます。
独自ワールド制作によるプロモーション事例
Warner Brothers:Beetlejuice Beetlejuice
ワーナー・ブラザースは、9/6に公開となった映像作品「ビートルジュース ビートルジュース」のプロモーションをRobloxで行いました。Roblox上にビートルジュースの世界観を模したワールド「[Beetlejuice] Escape the Afterlife」を作りミニゲームをプレイできるようにするとともに、ワールド内から予告編映像を直接観れるようにしました。またRoblox上の4ワールド「バリーの刑務所脱出! (OBBY)」「友達を運ぼう!」「顔から逃げるゲーム」「床は溶岩だ! 🔥」とのコラボレーションも実施しました。いずれもアクションが基本となるゲームです。各ワールドでゲームオーバーになった際[Beetlejuice] Escape the Afterlifeへと誘うポップアップを表示する他、コラボしたワールドに[Beetlejuice] Escape the Afterlifeの限定コインの配置を行いました。
特筆すべき点として、このワールドでは米国在住で13歳以上であれば映画本編のチケットを購入可能だった点があります。ゲームプレイによって映像作品に興味を持ったとき、すぐに購買行動へとつなげるために行われました。
Warner Brothers:Godzilla x Kong: The New Empire

「ゴジラxコング 新たなる帝国」もワールド制作によって宣伝が行われました。ゲームをスタートすると、プレイヤーはまず予告編をスクリーンで見ます。その映像終了時にキングコングの腕に掴まれ、3Dの障害物コースに連れてこられてしまいます。このゲームにも限定アイテムが存在する他、自分のアバターが障害物コースをプレイしているスクリーンショットをゲーム内で受け取る、他プレイヤーとの交流をすることなどもできました。
「ゴジラxコング 新たなる帝国」は初週売上1億ドル、全世界で5億ドルを超える大ヒットとなりました(New Digital Age)。
Warner Brothers : In the heights

ミュージカルを映画化した「In the Heights」も、Robloxでワールド「『イン・ザ・ハイツ』のブロックパーティ」を公開しました。このワールドは映像作品内のワシントンハイツ地区を再現しています。6/4から6/20までの期間限定で公開したほか、特定の時間に2つのイベントが行われました。
6/10午前10時:キャストのQ&A、限定ムービー、及び無料のアイテムを提供した「フラッシュアウトパーティ」
6/11午後6時:特別な振り付けでダンスできる「フラッシュモブ」
また、アイテムの無料配布なども行いました。
現在は閉鎖されているものの、『イン・ザ・ハイツ』のブロックパーティは1000万訪問を達成しました。Robloxでのワールド運営自体は成功したと言えるでしょう。しかし、In the Heightsの興行成績は芳しくありませんでした。オープニング収入(6/11~6/13)は予想を下回る1140万ドルであり、ボックスオフィスは全世界で4500万ドルとなりました(Box Office Mojo)。
ワールドに訪問してもらうだけでなく、来てくれた人にどのように映像作品の魅力を伝えるか、どのように映画視聴までの導線を引くかという点も重要と言えます。
Netflix:Next world

NetflixはRoblox上に複数のNetflixIPを体験できるワールド、「Netflix Nextworld」をアーリーアクセスとして公開しています。限定アイテムやNetflixの映像作品をもとにしたゲームに加え、映画館を模したスクリーンなども存在します。
先述した事例と異なる点として、Netflixは「ストレンジャー・シングス ホーキンス」「ワンピース イーストブルーの乱闘」「REBEL MOON 辺境の戦闘」といった他のワールドも公開しており、Nextworldをそれらにつながるハブとしている点があります。それだけでなく、「Is it Cake ?」、「コブラ会」などのIPを活かしたミニゲームやNPCとの会話などもできるようにしてあります。複数のIPに同時に没入体験できる点も他の事例と異なる点です。
Nextworldは2023/11/23に公開され、2024/9/7時点で訪問数300万以上、いいね数2万以上を達成しています。
Pastime Pictures:Monster Summer

Pastime Picturesが配給する映画「Monster Summer」は、2024年10月4日の本編公開に先立ち、Soma Gamesと共同で開発したRobloxゲーム「Monster Summer: Escape」を公開しました。本ゲームでは、プレイヤーたちは映画に登場する場所を探索し、ミニゲームを楽しんだり、特別な作中トレーラーを見たりすることができます。さらに、映画のサウンドトラックを聴くこともできます。
没入型広告によるプロモーション事例
Universal:怪盗グルーのミニオン超変身
Universalは「怪盗グルーのミニオン超変身」のプロモーションをRobloxの没入型広告で行いました。2024年5月1日に没入型動画広告が全ての広告主に開放されたことを受け実施したプロモーションです。
没入型広告はユーザーが好意的であることが特長です。Robloxの発表によると、調査回答者の75%が他の広告よりブランドに気づきやすいと答え、73%がその分野のリーダーだと判断すると回答しました(Roblox)。怪盗グルーのミニオン超変身は初週末売上7500万ドルを達成しました(Box office Mojo)。
NPCによるプロモーション事例
Universal:The Bad Guys

Universalは映画「The Bad Guys」の宣伝をRobloxで行いました。Robloxの人気ゲームの中に映像作品のキャラクターを出現させ、NPCとして交流できるようにしました。このNPCは映画の内容をほのめかすだけでなく、映画を見る予定があるかユーザーに聞きそのデータを集めることもできます。また、画像を用いた没入型広告も同時に行いました。
これによって434,000 人の Roblox プレイヤーが Super Biz の NPC キャラクターと交流し、キャラクターの視聴回数は520万回を達成しました(Super Biz)。
The Bad Guysはオープニング収入2390万ドル、全世界総合で2億5000万ドルを売り上げる大成功となりました(Box office mojo)。




