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完了率90%超・1,000社の実績——RobloxがYouTube・TikTokと同じ土俵に立った2026年の広告戦略

  • 7 日前
  • 読了時間: 5分

2026年1月のCES、Robloxは広告業界に向けて3つの発表を行い、自社の立ち位置を決定的に変えた。1,000社を超える企業がすでに活用するRewarded Videoの完了率は90%を超え、業界標準を上回る。新フォーマットのHomepage Featureは1億5,100万人のDAUが日々通過するホームページを舞台に、CPMベースで購入できるプレミアム枠として登場した。そしてAmazon DSP・Magniteを含むプログラマティック大手5社が接続されたことで、メディアバイヤーはRobloxを「ゲームという特別な世界」ではなく、通常の広告プランニングの一行として扱えるようになった。

GEEIQはこの変化をこう表現した。「問いはもはや『Robloxに出稿すべきか』ではない。より競争が激しくなった環境でどう戦略的に動くか、だ」。本稿では2026年のRoblox広告プラットフォームを構成する3つの要素を整理し、日本のブランド担当者にとっての意味を考える。



Rewarded Video:「見たい人だけが見る」から完了率90%超が生まれる理由


Rewarded Videoは2025年4月に広く展開が始まったフォーマットで、プレイヤーがゲーム内の報酬と引き換えに広告を自発的に視聴する仕組みだ。Roblox公式によれば、2026年1月時点でGrow a Garden・Dress to Impress・Brookhavenを含む400以上のゲームに組み込まれ、1,000社超の企業が出稿している。完了率は90%超、視聴可能率は95%超——これはテレビCMやSNS動画広告と比べても遜色のない数字だ。

なぜこれほど高い指標を出せるのか。鍵はオプトイン構造にある。視聴を強制されないため、広告を選んだプレイヤーはその瞬間すでに「見ようとした人」だ。GEEIQの分析が指摘するように、このフォーマットが売っているのはリーチではなく意図(intent)であり、それがCPMベースのディスプレイ広告とは本質的に異なる。日本でもZ世代・α世代向けブランドがサンプリング施策や新商品認知に活用できるポテンシャルは高い。

▲ Roblox内のRewarded Videoフォーマット。プレイヤーが広告視聴を選択するため完了率が90%超と業界標準を上回る



Homepage Feature:1億5,100万人の玄関口にCPM購買で出稿する


2026年1月に発表されたHomepage Feature(クローズドベータ)は、Robloxホームページへのプレミアム配信枠だ。全DAUがセッションを開始する起点に表示されるため、理論上は1億5,100万人(2025年9月末時点)へのリーチが可能になる。広告クリエイティブはまずビデオとして再生され、クリックするとRoblox内の3Dインタラクティブ体験へシームレスに遷移する仕組みだ。開発コストをかけずに没入型体験の入口を作れるという点が、従来のブランド体験型ゲームとは異なる。

ベータ参加ブランドはe.l.f. Beauty、Sam's Club、Universal PicturesのFive Nights at Freddy's 2。Sam's ClubのレスリーSheパードは「最も関連性の高いゲームが表示される場所に隣接した配置は、従来のデジタル広告より有機的にオーディエンスとつながれる」と述べた。CPMベースの購買モデルであるため、既存のデジタル広告予算の枠組みで扱えるのも実務担当者にとっての利点だ。今後は常時表示型のフォーマットとして正式販売される予定で、日本のブランドも参加できる窓が広がりつつある。

▲ Robloxホームページに配置されるHomepage Feature広告。CPMベースで購入でき、クリックすると3D体験に変換される



Amazon DSP・Magnite参入:「Roblox専用の購買」が不要になった


RobloxはもともとGoogle DSPとのプログラマティック連携を行っていたが、CES 2026でAmazon DSPとLiftoff(DSP側)、Index Exchange・Magnite・PubMatic(SSP側)の5社を追加した。GEEIQはこの動きを「参入の障壁をできる限り下げる取り組み」と位置付けている。メディアバイヤーはすでに使い慣れたダッシュボードとワークフローで、Robloxの広告在庫を他チャネルと並べて購入できるようになる。

Amazon DSPのクリス・コネッタは「GenZとGenAlpha向けに没入型環境でブランドを届けたいという需要に応えるもの。高品質な動画在庫への規模あるアクセスを提供する」とコメントした。Magniteのマイク・ラバンドも「Robloxという活気あるコミュニティに広告収入の機会を広げると同時に、ブランドにとっても強力な接点になる」と述べた。日本の広告代理店やインハウスのメディアバイヤーがRobloxをプランニングに組み込む際、Amazon DSPはとくに馴染みやすい入口になりうる。

▲ GEEIQ分析:RobloxのCES 2026発表はプラットフォームをYouTube・TikTokと同じ土俵に乗せる転換点だった



Q1 2026の数字が示す:「実験」から「実績」への転換


Robloxの2026年第1四半期決算は、広告プラットフォームへの取り組みを財務面でも裏付けた。売上高は前年同期比39%増の14億ドル、ブッキングは43%増の17億ドル。DAUは35%増の1億3,200万人に達し、広告のリーチ基盤が引き続き拡大している。上位100クリエイターのうち60%超がすでにRoblox Ads Managerを利用しており、広告エコシステムがクリエイター経済と連動して深化していることが分かる。

直近の2025年実績では、米国の国内興収トップ10作品のうち7本がRoblox上でアクティベーションを実施。「Wicked: For Good」は80億インプレッション、Universal「Jurassic World Rebirth」は20億インプレッションという数字を残した。もはや「Roblox上のブランド活動」は先進事例の枠を超え、エンタテインメント業界では標準的な選択肢になっている。こうした実績の積み重ねが、2026年の広告プラットフォーム拡張の根拠となっている。



日本ブランドが今動き始めるべき3つの根拠


日本のRobloxユーザー基盤は無視できない規模になっている。月次アクティブユーザー数は2025年3月時点で470万人近くに達し、モバイルでの月次ユーザーも330万人を超えた。Z世代・α世代のデジタルネイティブが主な層であり、この年齢層と接点を持ちたい消費財・エンタメ・教育ブランドにとってリーチの機会は実在する。

参入コストの観点でも、現在は好機だ。第一に、プログラマティック接続によって専用の開発コストなしに出稿できるRewarded Video・Homepage Featureが利用可能になった。第二に、競争が本格的に激化する前のタイミングであるため、先行することで目立ちやすい。H&R Blockが「ゲーム内の仮想収益の税務処理を楽しく教える」という体験型広告で若年層に接触したように、教育的価値や体験的価値を先に設計したブランドがその後の競争優位を築く傾向がある。RobloxのCGO(最高成長責任者)に初めて就任したジョン・チャンチュッティは「グローバル展開と発見のパーソナライズ化」をミッションとして掲げており、日本市場向けの最適化も視野に入っている。

GEEIQが指摘するように、Robloxは「出稿すべきかどうか」を問う場所を卒業した。問いは「どう勝つか」に移行している。プログラマティックで試験出稿しながらクリエイティブを最適化するアプローチが、日本ブランドにとって現実的な第一歩になる。


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