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「6月、子どものRobloxが変わる」——保護者が今知るべきKids・Selectアカウントの実態と設定術

  • 5月12日
  • 読了時間: 6分

2026年6月上旬、Robloxを利用する5〜15歳のユーザー全員に影響する大きな変更が始まる。「Roblox Kids」(5〜8歳)と「Roblox Select」(9〜15歳)という2種の年齢別アカウントが世界同時展開され、コンテンツへのアクセス範囲・チャット可否・ペアレンタルコントロールが年齢に応じて自動設定される。日本でも同様に適用される今回の変更が「何を意味し、保護者は何をすべきか」——法的な背景から具体的な設定手順まで、複数の視点から整理した。



なぜRobloxは今、子どものプラットフォームを再設計するのか


今回の変更は突然降ってきた施策ではない。連邦MDLに集約された146件もの家族訴訟、ルイジアナ州・テキサス州ほか複数の州司法長官による提訴、未成年と成人ユーザーの混在を問題視する研究者・安全専門家の長年にわたる指摘——これらが積み重なった結果として、Robloxは2026年1月、チャット利用への顔年齢確認を世界で初めて義務化した。さらに4月13日、「年齢別アカウント」という根本的なアーキテクチャ変更が発表された。

Robloxは発表文の中で「安全をデフォルトとするアプローチ(safety-by-default)」という言葉を使っている。従来は保護者がオプトインで設定を変更する形だったが、6月以降は設定しなくても子どもが適切な制限の中に置かれる設計に変わる。1億5000万人以上のデイリーアクティブユーザーを持つプラットフォームが「デフォルト」を変えることは、世界中の子どもの体験に直結する。日本でも、Robloxはゲームを超えた「子どもがオンラインで過ごす場所」として定着しており、この変更から無縁の家庭はほぼない。

▲ Roblox KidsとRoblox Selectの2種アカウント。年齢に応じてコンテンツとコミュニケーション設定が自動調整される。



Roblox Kids・Select——3段階審査と自動移行の仕組み


6月上旬から、16歳未満のユーザーは以下の3区分いずれかに自動で振り分けられる。Roblox公式の発表によれば、「Roblox Kids」(5〜8歳)はコンテンツ成熟度が最低2段階(Minimal・Mild)のゲームのみにアクセスでき、チャット・DM・ボイスチャットはすべてデフォルトで無効となる。「Roblox Select」(9〜15歳)は最大Moderateのゲームまで利用でき、コミュニケーション設定は現行のままが維持される。16歳以上は従来と変わらない標準アカウントだ。

重要なのは「自動移行」の設計だ。9歳になれば Kids から Select に、16歳で Select から Standard Roblox へと、保護者の操作なしに自動でアカウントがアップグレードされる。ゲームのカタログも、Robloxが3ステップで継続審査した上で動的に更新される。3ステップとは「開発者の本人確認・Roblox Plus サブスクリプション維持」「16歳以上ユーザーによるリアルタイム評価と報告」「コンテンツ成熟度レーティングと特定ジャンルの除外」だ。デフォルトでは、センシティブなテーマを含むゲーム・ソーシャルハングアウト系・自由描画ゲームは16歳未満アカウントには表示されない。Roblox は「年齢確認を済ませた16歳未満ユーザーは、お気に入りのゲームの大部分に引き続きアクセスできる」としているが、一部のゲームは利用不可になる可能性がある。

▲ 年齢が上がると自動的にKids→Select→Standard Robloxへ移行。保護者の操作は不要。



顔年齢確認AIの実態——DAUの50%が完了、それでも残る課題


アカウント区分を決める根拠となるのが、2026年1月にグローバル義務化された顔年齢確認だ。動画セルフィーをAIが分析し、顔の特徴から年齢を推定する仕組みで、処理後は即座に動画が削除されるとRobloxは説明する。この年齢確認を世界のDAUの50%以上、米国のDAUの65%が完了している。日本語版の設定も同様で、Robloxアプリ内のガイドに従ってカメラで撮影する手順が案内される。保護者が子どもの代わりに確認を済ませることも可能で、その方が精度の高い判定が期待できる。

ただし、課題も正直に見ておく必要がある。Kinzooの分析によれば、子どもが加工画像で年齢確認を迂回しようとする試みが報告されているほか、保護者が自分の顔でスキャンを通過させ、子どもを成人カテゴリに入れてしまう事例も確認されている。またeBayなどのプラットフォームで年齢確認済みアカウントが5ドルほどで売買されているとの報告もある。さらに、大人を子どもと判定するなどの誤認識も一定数発生しており、Roblox自身が「継続的な改善」と「不正が疑われる場合の再確認」を明言していることが、現在の精度の限界を示している。年齢確認は「ゲートウェイ」として機能するが、それだけで完璧な安全が保証されるわけではない。

▲ Robloxの年齢別アカウント体系。16歳未満は2種の制限付きアカウントへ自動振り分けされる。



保護者が今日からできる具体的な設定と、6月以降に使える新機能


6月の変更を待たずに今すぐ使える保護者向け機能が既にある。Robloxの「ファミリーコントロール」では、月々のRobux利用上限の設定・1日のスクリーンタイム制限・コンテンツ成熟度フィルターが設定できる。まず保護者自身のRobloxアカウントと子どものアカウントを連携(リンク)することが前提条件で、連携していなければこれらの設定には一切アクセスできない。連携は今すぐ行っておくことを強く勧める。

6月以降には新機能が追加される。「ゲーム承認機能」は、子どものアカウント区分では本来利用できないゲームを保護者が個別に許可できる仕組みだ。たとえば、兄姉と一緒に遊びたいゲームがRoblox Kidsには含まれていない場合、保護者が承認することで例外的に利用できる。「特定ゲームのブロック」「ダイレクトチャット管理」の両機能も15歳まで延長される。さらに、年内にはIARC(国際年齢レーティング連合)の基準が導入予定で、日本でもCERO相当の地域標準に近い評価が表示されるようになる見込みだ。

▲ 保護者が今すぐ確認すべきRobloxの設定項目。6月の変更前にアカウント連携を済ませておきたい。



変わること・変わらないこと——正直な評価と日本の保護者が取るべき行動


6月の変更が最も劇的なのは5〜8歳の層だ。これまでデフォルトで全コンテンツにアクセスできていた子どもが、Roblox Kidsアカウントではコミュニケーションが完全に無効化され、プラットフォーム側が厳選したゲームのみに制限される。「親が設定を変えていなかったために危険にさらされる」リスクが大幅に低下する。一方、9〜15歳のRoblox Selectについては、ファミ通の報道でも指摘されているように、コミュニケーション設定はデフォルトで変更されない。この年齢層が最も活発にコミュニケーションを行い、リスクにさらされやすいにもかかわらず、設定の見直しは保護者側に委ねられている。つまり「設定しなくていい」のではなく「この年齢層こそ積極的に設定を確認すべき」ということになる。

日本の保護者が今週中に取るべき行動は3つだ。①保護者アカウントと子どものアカウントを連携する、②ファミリーコントロールでスクリーンタイムとRobux上限を設定する、③「6月に何が変わるか」を子どもに伝え、一部のゲームが制限される可能性があることを事前に共有する。今回の変更は、Robloxが訴訟と規制圧力を受けて実施した構造的な転換だ。完璧ではないが、デフォルトが安全側に倒れる設計は明らかに前進といえる。ただし技術的な仕組みに頼るだけでなく、子どもとオンラインの安全について継続的に対話することが、長期的に最も効果的な保護になる。



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